あまりにも有名なことですが、ゴッホなど印象派の画家達は日本の浮世絵から大きな影響を受けました。広重が描いた名所江戸百景の「亀戸梅屋舗」と「大はしあたけの夕立」を、ゴッホは油絵で模写しています。
左は歌川広重作 亀戸梅屋舗(安政4年)、右はゴッホ作
左は歌川広重作 大はしあたけの夕立(安政4年)、右はゴッホ作
ゴッホは明治時代になって日本から輸出された陶器の、緩衝材として使われていた反古の浮世絵を見て大きな感銘を受け、以来日本に強い憧れを持ったそうです。日本人が描く浮世絵の独特の構図や色、タッチなどは著名なヨーロッパの画家達に影響を与えました。
江戸時代、日本人はすべてのものに命が宿っているという考え方を持っていました。そのような精神性が、絵を描くことや草花を育てること、そして生活全般にわたって素晴らしい文化となったのでしょう。当時、江戸は循環型社会を実現し、世界的にもパリやロンドンを凌ぐトップレベルの都市だったそうです。
これらの花や虫、鳥の描き方はどうでしょう。躍動感があり、命が宿っているようですよね。広重の絵にしても、雨はほんとうに降っているように見え、人々の逃げる様子もリアルです。全体の構図も見る人をハッとさせるような斬新なものですね。
江戸のガーデニングブームは家康の江戸城入城と共に巻き起こりました。徳川三代将軍は代々園芸を好み、将軍に影響された大名たちも競って邸内に庭園を作ったので、ブームは庶民にまで及びました。当時、イギリスでは世界中から植物を集める目的で各国にプラントハンターを派遣しましたが、彼らは日本のガーデニングの素晴らしさと、下層にまで行き渡った園芸好きに息を呑んだそうです。そしてもちろんその技術や文化を自国に持ち帰ったことでしょう。
現在の日本の典型的な庭は、そうやってヨーロッパに渡った日本の文化の逆輸入状態にあるガーデニングに影響されているところが大だと思います。もともと日本にあった、ヨーロッパの芸術家達や園芸家達を驚嘆させたほどの日本の文化、その貴重な私たちの財産をなくしてしまうのはとても惜しいことです。そして、私たちは江戸にあった日本独自の優れた文化をもっと認識し、誇っていいと思います。
greenland-jpは江戸にあった混じりけのない日本人の文化を想い、なおかつ現代の私たちの生活に適した庭づくりを工夫し、自然を愛し、自然と共に生きた江戸時代の人々をお手本にした庭づくりを目指したいと思うのです。